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大工工事業の建設業許可をとるために必要な要件とは

大工工事とは、「木材の加工または取付けにより工作物を築造し、または工作物に木製設備を取付ける工事」です。

こちらのページでは、大工工事の建設業許可をとるために必要な要件についてご説明しています。

大工工事の具体例

具体的には、次のような工事が大工工事に該当します。

  • 大工工事
  • 型枠工事
  • 造作工事

大工工事業の建設業許可をとるために必要な要件

大工工事業について建設業許可を取得するためには、次の5つの要件をみたす必要があります。

 ① 経営業務の管理責任者を有すること

 ② 営業所ごとに専任技術者がいること

 ③ 請負契約に関して誠実性を有していること(誠実性)

 ④ 請負契約を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用を有すること(財産的基礎の要件)

 ⑤ 欠格要件に該当しないこと

建設業許可には、一般建設業許可と特定建設業許可という区分があります。

 

①経営業務の管理責任者、③誠実性、⑤欠格要件に該当しないこと、という3つの要件については、一般建設業許可と特定建設業許可で異なるところはありません。

 

②の専任技術者の要件については、29業種で専任技術者となるための要件が異なっているためこちらで詳しく解説していきます。

また、一般建設業許可を取得する場合と特定建設業許可を取得する場合とで要件が異なりますので、一般建設業、特定建設業に分けて解説しています。

 

④財産的基礎の要件も、一般建設業許可を取得する場合と特定建設業許可を取得する場合とで要件が異なりますので、一般建設業、特定建設業に分けて解説してあります。

要件① 経営業務の管理責任者がいること(一般・特定に共通)

大工工事業の建設業許可を取得するための1つめの要件として、法人の役員、個人事業主本人、登記された支配人が大工工事業の経営経験について5年以上、大工工事業以外の建設業について6年以上建設業の経営を営んでいた経験を5年以上、有することが必要となります。

経営業務の管理責任者についての詳細は、次のページをご覧ください。

要件② 営業所ごとに専任技術者がいること(一般建設業の場合)

大工工事業の建設業許可を取得すための2つめの要件として、大工工事業を営む営業所に、専任技術者として次のいずかに該当する方が必要になります(一般建設業許可の場合)。

  1. 大学、短期大学、専修学校(専門士、高度専門士)、高等専門学校の所定の学科を卒業後、大工工事業について3年以上の実務経験を有する方
  2. 専修学校、高等学校、中等教育学校の所定の学科を卒業後、大工工事業について5年以上の実務経験を有する方
  3. 大工工事業について10年以上の実務経験を有する方
  4. 次のいずれかの資格を持っている方
  根拠法令等 資格名称
20 建設業法 1級 建築施工管理技士
22 2級 建築施工管理技士(躯体)
23 2級 建築施工管理技士(仕上げ)
37 建築士法 1級 建築士
38 2級 建築士
39 木造建築士
64 職業能力開発促進法 型枠施工
71 建築大工

大工工事業の所定の学科とは、次の学科です。

  • 建築学に関する学科
  • 都市工学に関する学科

これらの学科を卒業している方であれば、10年以上の実務経験までは必要ではなく、5年または3年の実務経験があれば、大工工事業の専任技術者となることができます。

要件② 営業所ごとに専任技術者がいること(特定建設業の場合)

大工工事業の特定建設業許可を取得するためには、大工工事業を営む営業所に、専任技術者として次に該当する方が必要になります。

  1. 一般建設業の専任技術者の要件をみたし、更に元請けとして4,500万円以上の工事について2年以上の指導監督的実務経験を有する方
  2. 次のいずれかの資格を持っている方
  根拠法令等 資格名称
20 建設業法 1級 建築施工管理技士
22 2級 建築施工管理技士(躯体) + 指導監督経験
23 2級 建築施工管理技士(仕上げ) + 指導監督経験
37 建築士法 1級 建築士
38 2級 建築士 + 指導監督経験
39 木造建築士 + 指導監督経験
64 職業能力開発促進法 型枠施工 + 指導監督経験
71 建築大工 + 指導監督経験

要件③ 請負契約に関して誠実性を有すること(一般・特定に共通)

大工工事業の建設業許可を取得するための3つ目の要件として、法人、法人の役員、個人事業主等が、請負契約に関し不正または不誠実な行為をするおそれがないことが必要です(誠実性の要件)。

要件④ 財産的基礎の要件(一般建設業の場合)

大工工事業について一般建設業許可を取得するためには、財産的基礎の要件として、つぎのいずれかの基準をみたす必要があります。

  1. 申請直前の決算において自己資本額が500万円以上あること
  2. 500万円以上の資金調達能力があること

 

財産的基礎の要件の詳細については、関連記事をご覧ください。

要件④ 財産的基礎の要件(特定建設業の場合)

大工工事業について特定建設業許可を取得するためには、財産的基礎の要件として、つぎの全ての基準をみたす必要があります。

  1. 欠損の額が資本金額の20%を超えていないこと(欠損比率)
  2. 流動比率が75%以上であること(流動比率)
  3. 資本金額が2,000万円以上であること(資本金額)
  4. 自己資本の額が4,000万円以上であること(自己資本額)

 

財産的基礎の要件の詳細については、関連記事をご覧ください。

要件⑤ 欠格要件に該当しないこと(一般・特定に共通)

5つめの要件として、法人の役員や個人事業主が次のような欠格要件に該当しないことが必要となります。

  • 許可申請書またはその添付書類に重要な事項について虚偽の記載があり、または重要な事実の記載が欠けていること
  • 法人の役員、個人事業主などが成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者であること

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